Empty doll

2/3
前へ
/30ページ
次へ
「……ニナ・クローディア」 屋敷に着いた彼女は一言そう名乗った。『です』も付けなければ『よろしくお願いします』とも言わなかった。 空気を悪くする事でも怖れたのか、僕は名乗る事もせず、ただ彼女を……購入した人形を、屋敷へと招き入れる。 それが彼女との出会いだった。 そして、それを出会いと呼べるようになったのは、彼女を失うほんの少し前の事だ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加