Slave

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「エル。お前も人形買ったのか」 僕がニナを連れて夜の街を歩いていると、同年代であろう青髪の少年を連れた、赤毛の軽そうな少年が肩に手を乗せて来る。 「略すな、馴れ馴れしい」 こいつは同業者のアシュレイ・ミラ。 僕の名前はエルメリア・キュベレイ。エルなどとあだ名を付けることを認めた仲ではない。 「ツれないね~、キュベレイ伯爵」 「で、何の用だ?」 「いや、なに、ちょっと君を目障りって言う輩がいてね」 そう言うと、懐から何かを取り出すアシュレイ。 僕の人形が反射的に僕とアシュレイの間に割り込み、鈍く光る銀色がその腹部を捉える。 「かはっ……、うぅっ」 口から血を吐きつつ僕の人形はアシュレイに突進し、ひらりとかわされ転倒した。 「いやー、優秀優秀。 所有者のための献身度、とっさの反応速度、肉体的耐久度。 どれも一級品だ」 アシュレイはにやけつつ、よく出来たおもちゃのナイフを連れの人形に持たせる。
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