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「桂木葉子って知ってるか?」 忘れるはずもない ………彼女の名前だった そして彼の口から語られた話は あまりに衝撃的すぎる話だった たまたま、彼女が 夜遅くに彼らとすれ違った たまたまむしゃくしゃしていた 彼らは彼女を襲った 彼は自慢気に笑っていた 「泣きながら言うんだよ"止めてください"ってな まぁ誰も聞きやしないし あの姿…今でもたまに思い出すぜ 一体、どこで何してんだか 会ったらまた襲おうかな、っと 冗談だよ、冗談 今やったら犯罪だって」 僕は知っている 一度だけ引っ越したあとに 彼女の名前を見た 新聞の中面の小さな記事の中 小さな文字と共に書かれていた     自殺者、と
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