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その瞬間すべての地上にいた人間が悲鳴を上げて出口へ殺到し、化け物は見境なく人間を口に放り込んでいった。
俺はおぞましい光景に吐き気を堪え、近くで今まさに口に人間を運んでいる化け物に突っ込んだ。勢いを殺さず、腕を槍でぶち抜く。衝撃に化け物はよろめき、掴んでいた人間を落とした。化け物はこちらに標的を移し、飛び掛ってきた。
―さっきと同じでいい。
そんな声が聞こえた。化け物をかわし、動きの鈍いその背中から槍を幾回も貫通させ、最後に蹴り飛ばしてまず一匹。
と、視界に黒が掠めた。
先ほどまで戦っていたあいつも、自分と同じように化け物を倒しにかかったらしい。
―なら、北側はお前に任せた
そう呟き、俺は次の化け物へと向かっていった。
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