終章

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今度はあいつが言った。 すると男はぽかんとして、俺達を交互に見た。 「…あれ?覚醒したんだよね?あれだけ手際よく殺してたんだから、記憶も戻ってるはずだよね?僕がわからないかな?あれ、そういえば記憶取り戻した割には殺しあわないね君達。もしかして戻ってないのかな?記憶」 心底不思議そうに俺達を眺める。 「記憶なら戻ったさ。殺し合いもした。そこに化け物がきてやめた。無駄なことするなら、仲間を一人でも多く助ける」 そう言って俺のほうをあいつが見た。その視線に黙然と頷く。 またも男はぽかんとしていた。 「君達不思議だね…今までにない例だ。まぁなんにしろ、死んでもらうけどね」 男は表情を今までのものとは一変させ、残忍な笑みを浮かべた。そこには殺意しかなく、俺達は思わず足がすくんだ。
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