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男は拳で剣と競り合い、競り合いながらも足を繰り出す。防ぎようがなく、攻めようがなかった。
それでも俺とあいつは協力して少しずつだが男に傷を負わせていった。一瞬、男の動きが止まった、その隙を見逃さず俺は足を貫き、あいつは腕を斬り飛ばす。
男はバランスを崩して後退した。
「くそ…っ!こんな時に薬切れ…!?」
悔しそうに、焦ったように呟いた。懐をまさぐり、薬を探しているようだ。
「させるかよ…!」
もちろんその隙を見逃すわけがない。俺は一瞬で男の背後に回り、あいつは正面から斬りかかる。
しかし男から衝撃波が発せられ、吹き飛ばされてしまった。
その間に男は薬を取り出し、服用してしまった。
「はぁ…はぁ…っ。この腕と足…どうしてくれる…!」
男は怒りの形相を浮かべ、こちらを睨み付けた。
そんな男に俺とあいつは背中を預け、槍と剣を男に向けて言った。
「そんなもんで済むと思うな…」
「見せてやるよ…」
「「白黒の翼の力ってやつを!!」」
俺達は暖かな光に包まれていくのを感じていた。あの声を聞きながら……。
―よく、がんばった。後は任せろ。今は眠るといい…。
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