1人が本棚に入れています
本棚に追加
羽根に囲まれ、次々と己の体にまとわりついてくる。不思議と抵抗する気は起きず、なされるがままにされていた。
すっと、視界が開けると、自分は眼下に呆然とこちらを見上げる生徒たちと、保護者、教師の姿を捉えることができた。そのまま目線を背後へやると、背中にはまぶしすぎるほどに白い翼がはえていた。
さらに視線を動かせば、同じ空中に黒い翼を背に生やした生徒がいた。
その生徒もこちらに気付き、手を差し出した。…否、手には身の丈ほどもありそうな黒い剣が握られており、それをこちらへと向けていた。いつの間にか自分の手にも、翼と同じ色をした、細身の槍が握られていた。
最初のコメントを投稿しよう!