【絶望×狂気=演技】

5/16
前へ
/57ページ
次へ
「この空白の二時間は、何によるものでしょうか?」 「むむ、これはまさか採用試験ですか?長い研修期間を経て、とうとう私も、夢のキャリアウーマンにジョブチェンジする時が……!」 「黙れクソガキ。お前にバックが無ければ即刻クビにして警察連行もんだ。早く答えろ」 これ以上放置すると、噂好きのおばちゃん顔負けで喋り続けてしまうので、きつい口調で制止させた。 これぐらいしないと、奴の猛攻を止める術が存在しない。 長い付き合いで、俺が心に深く刻んだ事のうちの一つだった。 「な……!所長も結局は、私の財産が目的だったというのですか!?これまでの私との付き合いは全て遊び……答えは、所長がその間、ずっと気絶していたからです!!」 女は、戦戦恐恐と小動物の様に怯えながら答える。 む……気付かぬ内に黒い闘気を放っていた様だな。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加