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「正解。では、何故俺は気絶していたのでしょうか?」
「はい!それはもう、私の右手が真っ赤に燃える!所長を起こせと轟き叫ぶ!のノリで、先日買ったギャグ漫画のワンシーンを再現してみたからです!!」
「漫画のギャグを現実に持ち込んだのか?お前は二次元と三次元の区別がつかない程なのか、コノヤロウ!?」
奴のテンションに負けじと、思わずこちらも大声を出す。
現在の時刻……8:40分。
何をやっているんだ俺は。
「あの~この漫才、いつになったら終わるんでしょうか?」
不意に後ろから聞こえてくる女性の声。
「あ、おはよう~!!」
先程のやり取りなど気にも止めず、屈託の無い笑顔で女は挨拶をした。
「……おはよう。悪いな、朝っぱらからこんな状態で」
心からの謝罪の気持ちだった。
扉の前に立つ黒髪の彼女は苦笑混じりに、
「いえいえ……この状況には、私もいい加減慣れないとやっていけませんからね」
達観の境地に入った口調でそう言ったのだった。
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