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それとは対照的に、パソコンを前にうんうんと唸る例の女は、
「あ、全滅した!?ようやく一式装備の素材を集めたのに~!!」
某怪物を狩るゲームに現を抜かしていた。
「おい仕事しろ、馬鹿女」
「じゃあ、仕事取ってこい駄目上司!!」
生半可な注意などでは動じず、カウンターを決めてくる始末である。
「ぐっ!!」
本当に子供だな、この女は!!
言っている事は本当だから、返答に詰まるのは悲しいかな。
「……フッ」
鼻で笑われる。
そのまま【怪物狩人】なるゲームに没頭するのだった。
そんな彼女の名前は、鷹見結衣(タカミ ユイ)という。
21歳。
金髪。
ショートカット。
子供(精神も容姿も)。
合法ロリ。
以上。
これ以上の説明は無い。
そんな奴と俺の関係は、高校からの知り合いである。
いわゆる、腐れ縁の様な関係に発展してしまっていた。
此処に働き(?)に来てるのも、社会体験という名目で事務所に転がり込んで来たからである。
傍若無人の振る舞いであったのは、涙無しでは語れない話だがここでは割愛。
こんな場所で何を社会体験する気なのか。
奴の家に行ったら、立派な日本建築の建物に連れ込まれ、黒服の人達に囲まれる中、奴の父親と緊張のご対面。
そのまま『娘をよろしくお願いしますぞ』と訳の分からん事を言われ、頭を下げられると共に肩から桜の刺青が印象に残ったのは、未だに忘れられない話。
そんな事せずとも娘さんは十分に独り立ち出来てますよー!!と叫びたい。
というか、泣きたい。
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