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入学式当日。
クラス分けが貼られた掲示板に沢山の新入生が群がっている。
「おーっす!またクラス同じだな!!クラーク♪」
そう言って俺は肩を叩かれた。
小学校から一緒で、中学も三年間同じクラスだった『峰倉昴』だ。
俺とは違って昔から人懐っこい性格の昴。行動力があっていつもクラスのリーダー的存在だった。
俺とは正反対の部分が多いのに、不思議と気が合うんだよな。
だからなのか、気がついたらいつも一緒に行動している。
そして、俺に『クラーク』というあだ名をつけた張本人。
今となってはいい迷惑だ。
「なんだ昴か…」
「相変わらずドライだね~お前は。」
「お前に言われたくねーよ。ってかその呼び方やめろ!」
「それよりあの女、目立つよな~。」
「話変えんな!!ってどれどれ?」
「うち公立なのにあの茶髪は目立たね?」
「え?茶髪のやつって結構いねぇ?」
そう言いながら俺は昴が言った女を探した。
「さくら…?」
そこには紛れもなくあの桜並木で会った彼女がいた。
この高校だったのか…てか、新入生!?
色んなことが俺を驚かせた。
俺はクラス分けの表を見た
が、『さくら』という名前の女子はいなかった。
違うクラスか…。
「なんだよ知り合いかよ?」
昴が尋ねた。
「あぁ、兄貴のね」
俺はそう答えると教室に向かった。
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