6人が本棚に入れています
本棚に追加
「感じわりー」
俺は言った。
無事に入学式が終わり、帰り道。
俺と昴は彼女の話で持ちきりだった。
「そう?俺ああいうのタイプだけど」
「げ、お前の好みってあんなのなの?」
「げってお前、美人じゃん!気が強い女ってたまんね~」
昴は彼女が気に入ったらしい。
確かに美人だ。
でも、桜並木道で見た彼女は、もっと柔らかい雰囲気だった。
気がする。
俺の勘違いか…?
それに名前。
教室で担任に呼ばれた名前は『愛川咲弥[アイカワサクヤ]』。
『さくら』という名前ではなかった。
『さくや』と『さくら』、響きは似ている。
って、俺が聞き間違えたのか?
『さくや』と『さくら』
有り得るな。
じゃあやっぱり同一人物か。
まさか、『さくら』と『さくや』の双子!?
って漫画とかでありがちなパターンだな…。
桜並木で会った彼女は優しかった。
ねこでもかぶっていたのか?
まぁ、好きな人の弟だし、兄貴の話もしていたし?
その線もなくはない。
いや、でも俺は別人だと信じたい…
名前の謎も気になるところだ。
俺は彼女との共通の知り合いである兄貴に話を聞くことにした。
最初のコメントを投稿しよう!