新生活

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「感じわりー」 俺は言った。 無事に入学式が終わり、帰り道。 俺と昴は彼女の話で持ちきりだった。 「そう?俺ああいうのタイプだけど」 「げ、お前の好みってあんなのなの?」 「げってお前、美人じゃん!気が強い女ってたまんね~」 昴は彼女が気に入ったらしい。 確かに美人だ。 でも、桜並木道で見た彼女は、もっと柔らかい雰囲気だった。 気がする。 俺の勘違いか…? それに名前。 教室で担任に呼ばれた名前は『愛川咲弥[アイカワサクヤ]』。 『さくら』という名前ではなかった。 『さくや』と『さくら』、響きは似ている。 って、俺が聞き間違えたのか? 『さくや』と『さくら』 有り得るな。 じゃあやっぱり同一人物か。 まさか、『さくら』と『さくや』の双子!? って漫画とかでありがちなパターンだな…。 桜並木で会った彼女は優しかった。 ねこでもかぶっていたのか? まぁ、好きな人の弟だし、兄貴の話もしていたし? その線もなくはない。 いや、でも俺は別人だと信じたい… 名前の謎も気になるところだ。 俺は彼女との共通の知り合いである兄貴に話を聞くことにした。  
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