第1章 恐るべし義母

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  初めての内診台に、緊張や羞恥でオドオドの私に。 先生は手慣れた様子で内診を施し(そりゃ手慣れてないと大変だ)、あっさり言った。 「黒い塊が所々あるでしょう。こういうのは、妊娠しにくい子宮なんですよ」 もちろん、もっと具体的にいろいろ説明してくれたが、殆ど覚えていない。 人の気も知らず淡々と説明する無愛想な先生を見ていると、無性に噛み付きたくなった。 しかも義母の顔とダブって見え始め、無事故で帰宅する自信がなくなった。 怒りとか空しさがどんどん募り、感情の暴走を抑えるのに必死だった。 え~い!どいつもこいつも腹立たしいわ! もうどうでもいい。義母には言わせたいだけ言わせて、私は私で必ず妊娠してみせる! 決意を新たにして、私は病院を出るのだった。  
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