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【結婚したら子供はすぐ出来る】
それは、昔の人の古臭い固定観念だ。
さっそく本題に入るが。
私と旦那は、出会って7年で結婚した。
恋愛時代はそれなりに楽しかったが、結婚生活は旦那の両親との同居でスタート。
料理の腕や掃除っぷり。
互いが腹の探り合いを繰り広げる日々がしばらく続き、ある時ふと気が付いた。
毎日毎日、義母はトイレの汚物入れを観察している様子があることに。
彼女には既に用無しの、この汚物入れを使用するのは私ただ1人。
これにナイロン袋が掛かっていると、彼女は決まって溜め息混じりにこう漏らした。
「はあー……、まーたダメやったんかい……」
これはキツ~イ一言だ。
大好物の『パイの実』をむさぼる右手が止まってしまうほど、ショックな一言だ。
私だって、焦っていた。
周囲の既婚友人は、次々妊娠して、可愛い赤ちゃんを抱いている。
知らせが届く度、喜び半分切なさ半分。
そんな私の心情を、義母は理解する様子なし。
ある日、とうとう義母の口から恐ろしい質問が飛んできた。
「あんたら、週に何回エッチしよるん?」
えええやだもうエッチな質問ねえ~~~~!
などと頬を染めて悲鳴を上げる可愛い反応など出来るわけもなく。
私は絶句した。
こんなの、実の親にも親友にも尋ねられたことない。
嫁いで半年に満たない嫁に、身も蓋もない事を!
……とりあえず、笑って「数えてない」と洩らしておいた。
数週間後、再び汚物入れにナイロン袋を被せた私は、次の義母の反応に恐怖を抱きながらトイレを後にした。
そして、とうとう来た来た、お決まりの台詞だ。
「あんたら、病院でちゃんと調べてもらったら?」
余計なお世話である。
だいたい結婚してまだ半年なのに、なんで不妊と決めつけるんだろう。
よく考えて欲しい。
妊娠って、たった5日ほどの生存期間しかない卵子が、長旅に耐え抜いた精子と巡り会って成立する、奇跡的で神秘的な営みなのだ。
急かされ焦って無理こやいこがむしゃらに勤しむもんじゃない。
私は本気でイライラした。
パイの実爆弾でもぶつけてやろうか。
いや、それはもったいない。
こうなったら検査でもなんでもして、「私は健康です。いつでも妊娠出来ます」と胸を張ってやる。
今に見ておれよ!
そんなわけで、近所の産婦人科に初めて足を運んだのだが、思いもよらない診断結果に絶句する羽目になるのだった。
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