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「逃げろ!少尉!!」
角刈りに赤いバンダナの中年の男性―『クライツ軍所属・第07独立遊撃部隊』隊長『ヴァーンツ=レオルグ』大尉は、叫んだ。
周囲には、血塗れで事切れた隊員達の屍と、その返り血で装甲を赤く染めた巨大なM2の群れ。
呆然と。
少尉と呼ばれたまだ若いその兵は、身動き出来ずに立ち竦む。
『黒の巣から大鷲へ!黒の巣から大鷲へ!!応答せよ!戦況を』
ズン
一際高い音量を外に洩らしていたインカム型の無線機を、装着していた屍ごと、M2は踏み潰す。
四足歩行タイプ、各脚部に無数に備え付けられたスラスター、背には加速用大型バーニアに、首には鬣を彷彿させる放熱板。
―ライオン―
まるでそれを連想させるフォルム。
全長24m・頭頂高8mはあろうかと思われる巨大なM2は、これまでのどのM2ともスケールが遥かに違う。
群れ―同型のM2が、確認出来るだけで6機。
―それは、“07遊撃部隊”に下された、調査指令だった。
―沿岸諸国連合近隣の山間に、何やらM2の不穏な動きあり―
―早急の調査と排除を実施すべし―と。
部隊は、早速調査を開始。
出くわしたM2を次々と撃墜し―
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