8人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、“それ”は忽然と姿を現した。
未確認のエネルギー反応と共に、地中から。
巨体に似合わぬ鋭敏な動き、強固な装甲。
そして何より、口部より照射される、高エネルギーブラスター。
『クライツ軍』最強を謳われた、対M2遊撃07部隊。
だが―
「た、隊長!我等の装備では歯が立ちません!!」
対M2用特殊撤甲弾を弾かれて、隊員の一人が悲鳴混じりにそう叫ぶ。
それは、他のどの隊員が見せる動揺も同じだった。
ライフルも、電磁パルスダガーナイフも、そして、ロケット・ランチャーすらもことごとく弾き返される。
動揺に竦む隊員達を嘲笑うように、M2は脚部のスラスターと背部のバーニアを唸らせて地を蹴った。
断末魔の悲鳴を上げて、隊員達は次々に撃ち倒され、ブラスターで跡形もなく焼き消されて―
残存するのは、対M2特殊戦闘員、『セイヴァー』の称号を持つ二名のみとなるのに、数分と要さなかった。
隊長―ヴァーンツは、『セイヴァー』専用武器、腕に装着した『バトル・アーム』をガンモードに切り替えて、M2の間接部に収束パルスブラスターを撃ち込んだ。
ドン!
左前足の肩部が、小爆発と共に弾ける。
最初のコメントを投稿しよう!