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「離して…ください……」
もし、こんな場所でカイが目覚めたらただ事じゃ済まなくなるだろう。
僕はそれを恐れて、胸倉を離すように促す。
「つい昨日のことだろ!?」
恐ろしいほど怒鳴ってくる。
「……おいっ!やめろよ!」
僕が青ざめているのに気付いてか、陽斗くんがピアスの男の人に制止の言葉をかける。
「黙ってろ!」
男の人は僕の胸倉を掴んでる手と違う方の手で、陽斗くんを突き飛ばす。
陽斗くんは机にぶつかり、体中の痛みに耐えていた。
僕はそれを見て、ドクンと心臓が飛び跳ねたのがわかった。
この鼓動はカイが出て来るときの暗示なんだ。
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