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「要ちゃ~ん、もしかして、妬いちゃってるの~?」
桐谷は笑いながら要の桜色の髪をクシャクシャとし、要を茶化す。
「は?んなわけねぇだろ」
要は桐谷の手を退かす。
口は悪いが、桐谷を嫌っているわけではなく、これが要と桐谷のコミュニケーションだ。
桐谷は性懲りもなく、要の肩に腕をまわし、要に接近する。
要は不機嫌そうな顔で桐谷に怒鳴る。
そんな時、突如、桐谷の金色の長い髪がグイッと、突っ張った。
「い゙って……!!!」
桐谷は突っ張った原因を見るべく、振り返る。
すると、そこには桐谷の長い髪を鷲掴みしている一人の男がいた。
「こんなチャラチャラしやがって、チンピラが。ここは俺らの場所だぞ?」
その一人の男がそう言うと、後ろからぞろぞろと大勢の男たちが姿を現す。
どの男たちも、柄[ガラ]の悪い不良たちであり、中には金属バットや鉄パイプを持っている奴もいた。
どうやら俺たちは、こいつらの縄張りに足を踏み入れていたらしい。
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