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しかし、俺たちがどんなに想っていても、あの子が現れることはない。
そのことを察してか、桐谷は一度瞳を閉じ、ゆっくりと開ける。
そして、
「あー、暇だー。可愛い子いねえーかなー」
周りをキョロキョロと見渡し、軽い言葉を口にする。
「おい、またかよ!いい加減にやめろよな」
要が桐谷の悪い癖に痺れを切らす。
桐谷のこの言葉は珍しくなかった。
桐谷は顔がいいこともあり、言い寄ってくる奴は数知れない。
その上、長身の身体に綺麗な金色の長髪でチャラい感じだがモデルのような容姿だ。
それで来る者拒まずって感じだし、その上、自分から行くこともあるので、遊びが激しい。
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