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ポストに出しに行く途中、三人の男に囲まれた。
黒のスーツ。
あっち関係か?
その通りだった。
俺は車に乗せられ、事務所に連れてかれた。
要するに、拉致られた。
警察の住所などより、遺書でも書けば良かった。
事務所に入ると、風格がある爺さんが座っていた。
高そうな椅子に、高そうな机。
一人の男が俺の封筒を取り、テープを爺さんに渡した。
テープを機械に入れ、再生ボタンを押す。
のぶとい声が流れた。
すると、爺さんは笑いだした。
「ったく、度胸あるガキだな。最近のガキには珍しい。」
テープを隣の奴に渡した。
奴はテープを手で折った。
やばい、俺も終わりだ。
今から後悔が過る。
だが、爺さんが発した言葉は、予想外だった。
「このテープはダメだが、うちがおまえの代わりに、白鳥のガキを警察に言ってやってもいいぞ。なんなら、親父も。」
俺がなんでと言うと、隣の男が言った。
「奴の家は、守り代を踏み倒した。まぁ、他にもあるが。縁を切るにはいい機会だ。」
俺はしばらく考えた。
好雄と健二の顔が過る。
「いや、廣明のスリが証明できればいい。」
爺さんはそうかと言い、横を向き、顎で支持をした。
隣の男は俺に近づき、外に出ろと言った。
何があるんだ?
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