序章

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私「昔から変わらないなあいつは。」 ハインリヒとは反対方向に歩いて少し行くと、ブランデンブルク門が見えた。 門の上に立っているクアドリガ(4頭の馬で引いた馬車)に乗った女神ヴィクトリア。 その手にはナポレオン戦争でこの銅像を取り返して以来、鉄十字の紋章のついた杖を持って、威風堂々と立っている。 それはまるで、このドイツという国の栄光、そして誇りを象徴しているかのように私には見えた。 今、ドイツは大勝を続けている。1939年にはポーランドを落とし、今年はパリを陥落させ、フランスを降伏に追い込んだ。 恐らく次に攻めるはイギリス、ロンドン。 このままの攻勢を保った状態でいけばイギリスは落ちると思う。 しかし今年の7月には侵攻作戦のためのイギリス制空権の確保の作戦が行われたが、失敗したのだが… それでも、すぐにイギリスは落とせるだろう。 それで、この戦争は終わる。 …終わると思う。 そんなことを考えながら、家路についた。
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