あたりまえの毎日

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君のいなくなった後の、部屋は妙に広く、寂しく感じる。 こうして、君と時間を共にする様になって、もう長い時間が経つのに一人の時間には中々慣れない。 君の名前を呼んでみるけど、返事はない。 そんな当たり前の事が、そんな当たり前の事に切なさを知る。 今日はグラスが汗をかいている。 久しぶりの良い天気だ。 暑い暑い夏の日。 君と初めて逢ったのもこんな日だったね。 ただ、違うのはあの日は明るい日の下に大粒の涙を空が流していた。 けれど本当に泣きたかったのは空じゃなかったんだ。
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