決断

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バニラ「…じゃあ答えて、何故彼はあの攻撃を避けれるの?」 カエム「…あいつは…ラグは魔力を感じる事ができます…」 相変わらず虚ろなカエムの返答にバニラは眉を少し上げて怪訝な表情をする バニラ「魔力を…感じる? どういう事?」 カエム「ラグは…右目を失ってから…叔父に気配を読む訓練を受け始めました…視野の狭いラグにとって死角からの攻撃は…戦いでは命取りになるから…」 そう、今の模擬戦を見ると彼が隻眼なのを忘れてしまうような動きをしているが… 彼の視野は片目が無いだけかなり狭く、死角も多いはず カエム「何年も訓練したある日…ラグが言うには何となく分かるようになった…らしいです…まるで第六感のような物で…どれほどの威力の魔法がどのように放たれるか…魔力の感覚で次の動きの予測…隠れている者の魔力を感知したりできます…」 …おもしろい…興味が沸いて来た… バニラ「…わかった…ありがとう…」 そしてバニラはカエムに背を向けて去って行った… カエム「あれ!?俺は…誰と話してたんだっけ?」 先程までのやり取りはカエムの記憶から消えてしまっていた カエム「そうだ!模擬戦は!?」 直ぐさまリングに目を向けるがそこには… ラグ「ハァハァハァ くっ」 体の至る所に火傷を負い、片膝をつくラグの姿が写っていた カエム「ラグ!」  
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