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レッドベアーに向かう姿には恐怖も怯えも感じない
言うならば《威風堂々》
そんな言葉が似合うだろう
それに対して吹き飛ばされたレッドベアーの表情は怒りで満ち溢れている
いや…
違う
怒りではない
あれは
あの瞳は…狂気?
どうなってるんだ、さっきまではあんな目じゃなかったのに
?「脳が蝕め始めたか…」
怪しい人物は明らかにおかしいレッドベアーを気にした様子もなく更に接近する
「グ・・・ガ、ガー!」
ついにレッドベアーがその爪を振り落とした
?「哀れだな」
ボト
…
宙に浮き、地面に落下したのは
レッドベアーの右前足
「グッグガー!」
?「自然の道を外れし哀れな熊よ…貴様に罪は無いが他の罪無き生物を殺す前に……」
そして時間が遅くなったと感じる程ゆっくりと滑らかな動きで剣を頭上に運ぶ
?「これも罪を犯した綻びのため
せめて安らかに…逝ってくれ
¨断空¨」
シュン
…
次の瞬間レッドベアーは二つに分かれて地に沈んだ
赤い血溜まりに一人立ち尽くすその人は
仮面で表情はわからないはずなのに
悲しそうだった
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