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ラグ「どう考えても偽名だと思うんですけど」
ライム「いやいや分からないぜ、人の本当の名前なんて…そうだろ
ラグ=ミーテル君?」
ピク
何故
ラグ「…何故知ってるんですか?」
内心の動揺を悟られ無いように押し殺した声で答える
ラグ「くっくっくっく当たりか」
何だこの人はさっきから
ライム「その写真だよ、あれ少年だろ…」
そう言うと暖炉の上にあるいくつかの写真のうち一つを指差す
そこには四人の人物が写っていた
右から眼鏡をかけた知的な四十代程の男性
まだ右目があった頃の子供の僕
僕の服の裾を握っている金髪の少女
そして僕と同じ綺麗な長い黒い髪をした女性
ライム「あの真ん中の子供は少年だろ、隣は妹さんかな?
そして二人の服には四大貴族「ミーテル家」の家紋が縫い付けてある」
たしかに写真の僕が着ている服は今と違って貴族らしい綺麗な服で胸に小さくミーテル家の証であるグリフォンが縫ってある
ラグ「………そうですよ僕の以前の名前はラグ=ミーテルです
しかし今はラグ=グリーク
グリーク家の当主です」
その仮面の奥に隠されている瞳に睨み付けるような挑戦的な視線を放つ
ライム「別に構わないさ」
手に取ったライムを指先で回しながら顔をこちらに向ける
ライム「ただ少年が【ラグ=ミーテル】と言う名前を捨てたように
俺も嫌いなんだ…本名が」
どこか切なげな言葉にそれ以上かける言葉が見つからなかった
そんなシリアスな雰囲気の中ラン達は仲良く林檎をかじっている
…
気楽だなー
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