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男性は屈んで少年を抱きしめる
『まだたったの八歳なのに…
こんな、こんな仕打ちを』
『叔父さん
僕もう強くなれないのかな』
『いや!』
少年の一つしかない瞳を見ながら男性は意気込む
『私が強くしてあげよう!
戦いでも何でも力がある奴だけが強くなれる訳じゃあ無い
私が剣術を教えよう、知識も授ける
だから二人で強くなろう』
『うん、ありが…とう……叔父さん…』
少年の瞳から一滴の涙が零れた
『行くんだ』
門を背に歩きだす二人の前に
一人の少女が立っていた
『エレン…』
・・ ・・・・
『何ですか?ラグ=グリークさん』
優しさの無い冷たい目で少年を睨む少女
少年はその言葉で目を見開く
『私に勝てないからかってに逃げて行くだけでしょう…
さようなら
もう会いたくありません
あっでも学園で会っちゃうのか…』
そのまま少女は少年の隣を通り過ぎようとする
『………一緒に行かないか』
ピタ
少女の足が止まる
『一緒に叔父さんのところに行かないかエレン、一緒に…昔のように……』
少女に手を差し出し願う
『………嫌よ』
『何故…どうして!!』
『私はあなたとは違うのよ
負け犬さん』
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