プロローグ

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夜が明けて…少年は黒く焼け崩れた残骸の中心に立たずんでいた その体はあれだけの炎の中にいたはずだが火傷は無く、体中の傷も消えている うつむき立ち尽くす少年の足元には… 五つの黒い物体があった 焼け崩れた柱や天井の残骸が折り重なる中でそこだけはそれ以外何も無い その物体はまるで、四つの小さい「人」のような物を守るように、一つの「人」のような物が覆い被さっているように見える 覆い被さっている「人」のような物の手のような部分には銀色に輝く指輪が付いていた 少年はおもむろに指輪に手を伸ばすが 掴んだ瞬間に黒い物体は崩れ去りただの灰になってしまう それがどこの指に付いていたか分からなくなるように ?「ぁ……マリ………みんな……ぁぁぁうあああああ」 少年は灰の前に膝をつきその瞳から滝のように涙を流す ?「これが…」 目の前の愛しい人達を失った彼の金色の瞳にはもう 悲しみではなく ?「これが答えか…」 憎しみが支配していた 「助けてやろうとしたのに… 救ってやると言ったのに…… これが、これが答えならば! 滅んでしまえばいい 世界なんて!」    
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