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三蔵は悟空を軽々と小脇に抱えたままにドアノブを捻ると中へずかずかと進んでいき悟空を机の前の椅子へと下ろした。 もう逃がすつもりはないのか後ろでじっと見はるように立っている。 やっぱりため息をつくしかなかった。 結論として、この勉強を終わらせない限りはここから逃がしてはくれないのだ。 悟空はしぶしぶ机に立ててある教科書を取ると机の上に開いた。 難しい言葉がつらつらと並ぶ教科書を読むよりはファンタジーものの小説を読むほうがよっぽど楽しい。 仕方なしに一緒に立ててあったノートも取ってそこに文字を書き込む。 せめてこれが世間一般で言う学校で、友達に囲まれてならまだやる気がでそうなのだが。 残念ながら傍にいるのは友達ではなくて執事だ。 しかも性悪の。
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