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「熱はないみたいだけど、出掛けるってわけにはいかないな‥」
ソファで寛いでいた亮介が言う。
「そうだね。会社休んじゃってるし。
久々でしょこっち?家に顔出さなくていいの?」
食後のコーヒーを入れ、テーブルに運びながら言うと、少し私を見ながら
「俺居たら落ち着かない?」
心を見透かしたように言った。
「そんなこと言ってないでしょ?顔見せたら、おじさんもおばさんも喜ぶんじゃないかと思ったのよ」
動揺してるのを気付かれないように言ったけど、ちょっと早口になったような‥
「ま、いいけど。
なぁ、そんなとこ座んないでこっち来れば?」
ソファに向かい合うように床に座った私を、自分の隣に誘った。
「なぁ、話しよ。砂菜」
戸惑っていると、真剣な目で言われて、そのまま隣に座った。
座ると亮介は私からカップを取りテーブルに置いて、私の向きを変えて後ろから抱きしめて来た。
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