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一度言葉をきって、私を抱きしめる腕に力が入る。
「正直焦った‥もう二度と会えないかと思った。会ってくれないんじゃないかって‥だから押しかけたんだ。
砂菜、別れるなんて言わないで‥
もう二度としないから。
だから‥俺から離れないで‥」
顔を埋められている所が冷たい。
泣いてるんだ。
亮介から告げられたのは別れじゃなかった。
でも‥
「そんなのっ‥どう信じろって言うのよ。
寂しかったのは亮介だけじゃない!
私だって一緒だよ。
なのに何でよっ」
腕を振りほどこうとするのに、もがけばもがく程力がこもる。
「離してっ」
「駄目だ離さないっ。勝手だって分かってる。でも離さない!
どうしようもなく砂菜が好きなんだよ。どんなに詰られても蔑まれてもいいっ
でも別れるのは駄目だっ」
「‥無理だよ‥」
。
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