-暴れん坊筆頭-

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チャイムが鳴ったのと同時に先生の顔が歪んだ。 「っああ!?終わった…テスト範囲までいけなかった…」 その声を聞いて、生徒は範囲が狭くなると歓喜する。 「Never mind teacher!(どんまい先生!)」 「お前の所為だ馬鹿宗があああ!!」 うなだれた先生の肩に政宗が手を置くと、先生が涙目で叫ぶ。 …そんなにテスト範囲までしたかったのか先生 そんな中、完全に思考回路が働いていない幸村に、クラスの男子が話し掛ける。 「真田、お前さっき政宗先輩に"何故ここにいる"って聞いてたけど…本当に知らなかったのか?」 「全く知らぬ」 「マジかよ!?政宗先輩はこの学校で超有名人だぜ?」 「有名人!?」 「だってあの怖い片倉先生に、"様"付けで呼ばれてるんだぜ…」 「かっ片倉師範に"様"付け…」 片倉師範はとても怖いと有名な国語の先生である。 「…政宗殿は凄い人でござるな」 「真田ぐらいだよ、政宗先輩を知らないのは…」 「そうか…」 そう言い終わった後、胸にちくりと痛んだ。でもこの痛みの原因は、この時の幸村には理解出来なかった。 幸村はふと教室を見回すと、先程まで言い合いみたいな事をしていた2人がいない。 「政宗殿と成瀬師範は?」 「あの2人ならまだ何か言いながら、教室から出て行ったよ?多分指導室じゃない?」 「有難う!!」 クラスメイトに教えられた、指導室に幸村は走っていった。 .
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