余談 ・ 私のSweets

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    婚礼は 私が十八になった年に、 執り行われた。   真っ白のウェディング・ドレス、 白薔薇をたくさん飾って。   長ーい レースのベールの裾を 持ってくれるのは、ゼラディー ン領主の二人の子供。 ギルとサラが 頑張ってくれる。   薄いピンクのふわふわドレスの サラの手を お兄ちゃんのギル が、しっかり握っていた。 ギルは 薄いブルーのタキシード。 可愛い子供達。   『リーン姉ちゃま、マシュー兄  ちゃま ご結婚おめでとう  ございます。』   …ギルも九つになるものね。 随分 しっかりお兄ちゃんだわ。   『ありがとう、ギル。今日は、  サラと二人で よろしくお願  いします。』   ニパッ、と 妙な笑みを浮かべ、 ギルは 言い始めた。   『二人共 ずーっと仲良しで、  幸せになるよ!大丈夫。  ん、とね 赤ちゃんはね…』   私は 慌てて ギルの言葉を遮る   『待って! ギル!! 駄目よ。  全部 予言しちゃ!  そういう事は 先のお楽しみ、  なのよー?  知ってても バラしちゃ駄目  だから!』   ギルは 話しを遮られたのに、 ニマニマ してる。   『うん。 リーン姉ちゃまが、  そう言うのも知ってたよ!』   『ギルの予言、か。聞いてみた  かった気もするよ。』   花婿さんは 緊張気味だ。   私は ニッ、と笑って見せた。   『聞かなくても 大丈夫よ!  幸せになりましょ、一緒に。』   そして 二人は 顔を見合わせて 微笑み、腕を組んで歩き始めた。              《 完 》    
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