闇夜の獣

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こんな田舎村じゃ、悪党もたかが知れてるみたいだな、明日は少し西に行くか。 「!」 「!?」 なんだ?ロビーが騒がしい。 「モンスターが出たんだよ!嘘じゃない!しかも、ウェアウルフだ!すぐそこの丘だぞ!」 なんだと!?聞き捨てならない、モンスターが出たってこたぁ、人を襲うってことだろうが!見逃せるか。部屋から出て、階段をドタドタかけ下りる。 「あ、旦那、モンスターが出たんだ。外には出ないでくだせえ。」 「断る!」 丘なら西にあったはず。 雲の合間から銀色の光が照らす。 今日は満月か。 くそっ!月は嫌いだ! 月明かりのおかげで、足下がよく見える。向こうにはいくつもの光が見えるし、迷子にはなりそうにない。 しかし、月明かりは俺を苦しめる。 我慢しろ、堪えろ。 向こうに見えた光は松明の火のようだ。チラチラと動いている。 あれだ。見えた、見えてしまった。村人が、ウェアウルフに襲われる所が。
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