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「………ビビった?」
樫田は意外とでも言うように言った。
「別に知らなくてすむなら知らない方がいい事もある。それをよく知ってるだけさ。」
「親父の事も知りたくないか?」
樫田は切り札っぽく言ったが…
「今更親父なんてどうでもいい。家族なんて俺になんの意味もない。」
俺は男の首を置いて出口で樫田を振り返り言った。
「それに今いる友達を失いたくない。」
俺はさっきの出来事を頭で反復しながら肉を買いに廃墟を後にした。
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