12月12日

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僕は自分の部屋を出ると、ゆっくりとリビングの方へと歩いていった。 僕のお父さんは、第一企業の課長。 だから独りっ子の僕を厳しく育ててきた。 時には怒鳴り、時には暴力だってする。 その度に、口から赤い血が溢れるんだ。 お父さんは、僕に暴力をふるうのは僕が立派に大人になるための試練なんだって、教えてくれた。 僕は子供じゃない。 お父さんが暴力をふるう日は決まって、仕事が失敗した時とか母さんとケンカしてる時だ。 そんなことを思っているとリビングに着いてしまった。 僕はこれからどんな試練(暴力)が始まるんだろうと思いながら、近くにあったソファーに腰を降ろす。 「昇!学校はどうだ?」 僕が腰を降ろすのと同時に話しかけてきたお父さん。 僕はいつもこう答える。 「普通」 これは暴力の合言葉みたいなものだ。 いつも暴力をする、きっかけを捜すように話しかけてきては、対象を聞き出すとそこを重点的に責める。 案の定、僕はボロを出し殴られてしまう。 何発も。 お父さんは僕の目が嫌いらしい。 辺りには叩いてる音が響き渡る。 なんか殴られ続けるとお母さんの方を自然とみてしまう。 「助けてお母さん。」 お母さんは泣きながら、寝室に逃げて行ってしまう。 お母さんはいつも僕を、見てはくれずお父さんの奴隷のように扱われていた。 僕は段々意識が朦朧とし、気絶してしまう。 お母さんはいつも気絶したあとの処理(治療)をしてくれてるみたいだ。 治療し終わると、僕を部屋に連れていきベッドに寝かせ 「ごめんね。」 と言って部屋から出て行ってしまう。
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