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母「…あーまあ、おやしらずがちょっと斜めに生えてるんじゃない?歯が痛いっていうよりは歯茎がうずくんでしょ?」
「知らん。歯も歯茎も同じようなもんだ」
間抜けな程に大口を開けながら意味不明な言葉を喋る。
「馬鹿言ってんじゃないよ。じゃお母さん寝るから」
!
いやいやちょっ、ちょっと待ってよね
我が子が親知らずの痛みでもだえ苦しんでるのに、早々と寝室に向かおうとするなんて鬼ですか?
私は鬼の子だったんですか?
それはそれで、納得のいく点が多々あるという現実に心が押し潰されそうです。
ってそんな事考えてる場合じゃねぇよ!!
私「こんな痛いまんまじゃ寝れないよ!明日だって仕事あんのに!!」
もう寝室のドアノブを掴もうとする母の肩を掴み必死に食い止める。
母「…なら薬でも飲めばいいでしょ」
くすり?
薬?
歯の薬!?
私「まぢかよっ!そんな良いものがこの家にあったのか!?」
――――
幸せはすぐそばに
意外な所で貴方を待っている
私を救ってくれる君は
階段下の収納スペースの薬箱の中で待っている―――――
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