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「真治、基地の中に入れるか?」
俺は音の主がどうしても気になって堪らなかった。
「近くにゲートはあるけど・・・向こうにはゾンビがかなりいるぞ?」
「今のが仮に銃声だったら、ゾンビに抵抗してる米軍が居る可能性もあるだろ?運が良ければ、銃が手に入るかも知れない」
俺がそう言うと、洋介が発言した。
「確かに一理あるな。米軍の基地だから、銃は勿論あるだろ」
沙織はそれに反論する。
「でも、あのゾンビの群れはどうするの?」
沙織の言った通り、基地内には数え切れない程のゾンビがいた。
「沙織、物は考えようだ。確かにあそこにはかなりゾンビがいるが、恐らくその向こうから銃声みたいな音が聞こえただろ?うまくいけば、銃が手に入るかも知れないんだ。銃があれば、俺達は有利になる」
「それはそうだけど・・・」
沙織は不安そうだが、俺は続けた。
「仮にあれが銃声だったらって話だが、銃声が聞こえたって事は、基地内に人間が居るって事だ。もしかしたら、俺達に協力してくれるかも知れない」
洋介が返す。
「そうだな」
「米軍基地だし、日本語は通じないかも知れないが、うまくいけば、人数分の銃と、それなりの弾を手に入れられるかも知れないぞ?」
「・・・よし、その案、乗った」
洋介は俺の案に賛成したようだ。
「じゃあ、行くぞ?真治、沙織、いいか?」
真治と沙織は、何も言わず頷いた。
俺はまた雄二に電話を掛ける。
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