篭城

23/26
前へ
/575ページ
次へ
「いや、それはダメだ」 「どうして?」 「危険だからだよ。あれだけのゾンビがいるんだ。沙織は、武器を使えないだろ?」 沙織はしばらく黙っていたが、何か反論を思い付いた様だ。 「でも、私が行かないと、携帯がある場所、わからないよ?誰かに見られたら嫌だから、わかりにくい場所に置いてあるから」 「そんなのはロッカーを調べれば・・・」 「私も行くの!!」 もう、何が何でも付いて来るつもりだ。 正直、沙織を危険な目に合わせたくないのだが・・・ 「わかったよ。沙織も一緒に行こう。ただ、絶対に傍を離れるなよ?」 「うん!」 ゾンビが密集しているかも知れない場所に行くというのに、何で嬉しそうなんだ? 俺の頭にはそんな疑問が浮かんだが、敢えて口にはしなかった。 面倒な事にならなければいいが・・・
/575ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5896人が本棚に入れています
本棚に追加