予兆

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「美幸、それ本当?」 真治が口を挟む。 まぁ真治にしても、信じられなかったんだろう。 美幸が嘘を言う性格ではないのは、全員が知っている事だが、美幸の容姿で、高校生だとしたら、今のご時世、遊んでいるのが普通だと思う。 真治が美幸にした質問は、俺達全員が聞きたかった事だろう。 美幸はその質問に答えた。 「本当ですよ。嘘なんて、言っても意味が無いですから・・・」 美幸の性格を考えると、嘘を言っているとは思えない。 間違いなく美幸は、今まで誰とも付き合った事が無いんだろう。 「美幸ちゃん、かわいいのに・・・何で?」 沙織が美幸に聞いた。 「私がかわいいだなんて・・・とんでもないです。それに私は、勉強ばかりしていたので・・・恋愛には特に興味が無かったんです」 美幸くらいの歳だと、恋愛に興味があって当然だ。 美幸は結構、特殊な人間なのかも知れない。 これは俺の予想だが、親の英才教育を受け、礼儀正しく育った美幸には、男と付き合うという考えが無かったんだろう。 それよりも美幸は、勉強に励んだ訳だ。 俺からしたら、全く理解出来ない生活だ。 もし俺が女で、美幸ほどの容姿だとしたら、男と遊びまわっていただろう。 本当に、美幸は貴重な人間だと思う。
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