天の使令

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 でも、それも今日で終わりかもしれない。  お兄様のいる世界に赴いて、調べてきて欲しいという命を天から直に受けた。  そしてわたしは今、一度も足を踏み入れた事が無いお兄様がいるという異世界に続く入口の前に立っている。  周りは白と水色の靄が空間を埋め尽くす。  空間の中には目の前にある入口の他にも扇型の細長い入口が並ぶ。  天の命だからこそ今日は黙って見ているわけにはいかない。  天の命令だから、と頭に刻み込んで、震える身体を腕で抱え恐怖と共に入口に足を踏み入れた。
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