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歳はわたしやお兄様とそれほど変わらない護衛達は、銀色の鈍い光沢の髪をなびかせ、お兄様の後を追うように鏡の中へと続く。
わたしも行きたい!
いつもそばにいたのだから当然だ。
当然の事。
生まれた時も一緒なら、どこへ行くのにも一緒。
そう、二人の護衛達のように、わたしも――
だけど、鏡の中へ入ろうとしたわたしの腕を天が掴まえる。
天はわたしの三倍もある大きな身体を折り曲げて、わたしの顔を見つめるとこう言った。
「お前はここでしか生きられない。もう二度と逢う事も無いだろう。
さあ、お別れを言って、アマツカ」
生きられない?
逢う事もない?
お別れ……?
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