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――――あれから五十年。
わたしの見た目はだいぶ大人に成長したと思う。歳は他人から見れば十九歳だと天は言った。
そんなわたしもただ寛いではいられない。
わたしには天から与えられた使令を行うといった役割があった。
初めて天から使令を受けたのはお兄様と別れてから幾日も経たない頃。
天の使令は主に、異世界に降りてそこで暮らす者達の様々な内情を伝える事。
それがわたしの役目。
そして、そこで初めてわたしは鏡の中へ入る事を赦された。
鏡の中はいくつもの異世界と繋がっているらしい。
その異世界の内、どれか一つにお兄様がいるはずだ。
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