0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「ハァ…ハァ…くそ!」
戦場となった市街地は露店が立ち並び人々の声が飛び交ってるのではなく、金属片が空間を切り裂き飛び交っている。
砂埃に包まれたキリングフィールドだが、空は蒼く頭上高く存在している。
「いたぞ!あいつで最後だ!」
十字路を逃げるように曲がると居間まで自分がいた空間に銃弾が飛翔音とともに通過した。
”俺は何の為に戦っている?”
両手で抱えた自動小銃を構え、トリガーを弾いた。
”政府のためか?”
振動で全身が痺れる。
”自分をまもるためか?”
カチッカチッ
それは弾切れの意味していた。
口を赤く白い息を吐いた金属を手放し拳銃を抜く。
”いや違う”
最後の一発が空気を切り裂いた。
「…俺はこの空が好きなんだ」
彼が見上げた青空はやがて夜空に染まった。
最初のコメントを投稿しよう!