初恋

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通い馴れた校舎を見上げ、いろいろな思いに心にしまいながら校舎に背を向ける。 「あの…」 誰かに呼ばれた。 自分じゃないかもしれない。 でも振り向いて、違うならそれでいい。 振り向いて驚いた。 彼女がこっちを見て話し掛けたのだ。 生憎、周りに人が居ないため、自分しかいないと思った。 「なに?」 彼女は少し下を向いてから手招きした。 … 大きな桜の木の下。 2人で居るには大きすぎる空間。 そして静寂が支配する空間。 彼女が決心したらしく口を開く。 「1年の時からあなたのことが…」 …あぁ神様。 どうか夢ならば覚めないで。 自分の片思いだと思っていた。 自分の自分勝手だと思っていた。 夢物語よ永遠に…。
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