大きな犬

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そして、帰りのホームルームが終わり私は急いで家まで走って帰った。 友達との遊びの誘いも断って君に会うのが楽しみで、無我夢中になって走ったっけ。 『お母さん、ただいま』 「さき、おかえり」 『お母さん、お父さんは? 犬はどこ?』 お母さんは私の顔を見て、少し不安そうな顔をした。 「それがね、さき。 実はね…」 『もしかして、犬…買えなかったの?』 「違うのよ、買えたのは買えたんだけど。 お父さん、まだ帰って来てないの」 『そっかぁ。 道混んでるのかなぁ? でも、楽しみだから、待ってる』 「そう? なら、いいんだけど…」 『うん(笑)』 本当に楽しみだったんだ。 会うまでは…。 まさか、私の想像を越えているとも知らずに、私は君が来るのを玄関で待ってたね。
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