50人が本棚に入れています
本棚に追加
プルルルル。
プルルルル。
夕食にインスタントのラーメンを食べている途中、隣の居間にある電話が鳴った。
俺は箸を置き、居間に向かう。
途中、壁に掛かった時計を見ると7時5分だった。
この時間なら、おそらく母さんだろう。
カチャ
「もしもし」
『もしもーし。 信吾ー』
透き通るような美声。
やはり母さんだった。
……あっ。 ちなみに信吾は俺の名前だ。本名は小林 信吾(こばやし しんご)
そして電話の相手は俺の母さんの小林 瞳(こばやし ひとみ)
「今日も仕事?」
『そうなのよー。 今日から忙しくなるから2、3日帰れそうにないの。 悪いけど家の事よろしくね』
「ああ、分かった。 ヒマがあれば掃除や洗濯もやっとくよ」
『ゴメンねぇ~。 じゃあ仕事もあるし、切るね。 じゃあね』
プツッ。
ツー、ツー、ツー。
俺が別れの言葉を言う前に母さんは電話を切ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!