電話

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プルルルル。 プルルルル。 夕食にインスタントのラーメンを食べている途中、隣の居間にある電話が鳴った。 俺は箸を置き、居間に向かう。 途中、壁に掛かった時計を見ると7時5分だった。 この時間なら、おそらく母さんだろう。 カチャ 「もしもし」 『もしもーし。 信吾ー』 透き通るような美声。 やはり母さんだった。 ……あっ。 ちなみに信吾は俺の名前だ。本名は小林 信吾(こばやし しんご) そして電話の相手は俺の母さんの小林 瞳(こばやし ひとみ) 「今日も仕事?」 『そうなのよー。 今日から忙しくなるから2、3日帰れそうにないの。 悪いけど家の事よろしくね』 「ああ、分かった。 ヒマがあれば掃除や洗濯もやっとくよ」 『ゴメンねぇ~。 じゃあ仕事もあるし、切るね。 じゃあね』 プツッ。 ツー、ツー、ツー。 俺が別れの言葉を言う前に母さんは電話を切ってしまった。
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