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光の下に飛び出した俺は、より一層大きくなった歓声を受け止めながら、音にノリ踊り始める。
左には、俺と同じく踊る悟士。そして左前には、踊り歌う薫の姿がある。
そして、舞台の下では俺達を応援してくれているファンの人達がいる。
俺は聞こえてくる歓声の中には、俺の名前を呼んでくれる物もある。
応援してくれている人に気づけなかった今までの自分に恥ずかしさを覚えるが、俺はそれ以上に今日はこの人たちに楽しんで貰いたいと思う事が出来た。
☆
ライブは、後半に差し掛かる。
俺は衣装部屋のモニターから、ライブの様子を眺めている。
舞台上では、悟士が新しく結成したバンドの曲をギターを持ちながら歌っている。
バンドで活躍したいと言っていた悟士の熱意は本物だったんだろう。俺は、悟士がこんなにギターがうまいとは知らなかった。素人の俺がみてもかなりカッコイイと思う。よほど練習したんだろうな。
そんな事を思いモニターを見つめていると、衣装部屋のドアが開く。
そこには、ソロのデビュー曲を終えて、戻って来た薫の姿があった。
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