1234人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
俺は意気揚々とステージに向かい歩く、悟のソロが終わればいよいよフィナーレだ。
俺と薫で悟が着替える為にMCで時間を稼ぎ、その後三人で発売されたばかりのラストシングルを歌えば、このコンサートと共に俺のアイドルとしての人生も終わる。
そう思うとこんな中途半端にしかアイドル出来なかった俺にも、込み上げてくる思いがあった。
最後ぐらい精一杯ファンに応えよう。苦手なMCだって精一杯やろう。
俺はステージへと続く、悔いがないようにやる。
ステージへと向かう廊下を歩き、すれ違うスタッフさんに挨拶をしていく。
いつもなら挨拶を返してくれるのに今日は返事がないのがちょっと気になるけど。
そして、ステージが見える幕間まで来た。
えーと、これからMCは何の事を話すんだっけか。
突然、肩を叩かれる。
一瞬ビクっと体が震えてすぐに振り返り、肩を叩いた相手も確認せず、挨拶する。
「……。」
ん?
何も反応がなく俺は不安になってしまう。そこで俺はチラリと顔だけを横に向け目を動かして相手を確認する。
そこには玲子さんが、頭を押さえてたっている。表情は若干呆れているようだった。なぜ?俺はまたなんかしただろうか?
最初のコメントを投稿しよう!