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今向かっているのは王都ラキュールにあるエリート魔法学校【ハウスター高等魔法学校】だ。
創立数百年の歴史を持つ、伝統のある学校。王都の中でもかなりの規模を持ち、三流から一流貴族まで、貴族間では幅広く通う高等学校でもある。
貴族でもないジェイドがどうやって入学することが出来たかと言うと、簡単な話だ。
地方の中等魔法学校でランクAで非常に好成績な成績を納めたジェイドは、校長の推薦で推薦入学……すなわち特体生という形で入学した。
金はハウスター高等魔法学校が出してくれるし、寮制で三食あると聞いたから生きることで問題は無い。
父の遺産もある程度あったので、生活には不便しない。しかも、ハウスター高等魔法学校といえば、校長をラウゼスが努めている。
来る時がくれば、奴の首も取れる。
このために十年間頑張ったのだ。暇があれば勤勉に励み、魔物相手に何度も戦いを繰り返した。
元々、ガルキスの息子と言うこともあってか、魔力は常人のそれを遥かに越えていた。
そこらの貴族相手なら、簡単に捻潰せそうだ。
ハウスター高等魔法学校の門は、多人数の生徒が通るためか、やや広く、鉄柵の門が大きく口を開けていた。
新入生と思わしき生徒達は、少し大きい制服を着てそこを通る。
(魔法学校……みたくれは立派だな)
それは城を連想させた。巨大なレンガ造りの壁に、高い塔が何本もそびえたっている。
その隣には、肉眼ではっきり捉えられるぐらいの巨大な建造物があった。
俗にコロシアムと呼ばれる建造物だ。
「本質はどうだかな……」
小さく呟いて、ジェイドも門を通る。新入生はまず来た順にホールの方に向かうことになっていた。
そこで教師の指示を聞くのだ。
ジェイドも例外では無く、頭に叩き込んだ城の地図を引っ張り出して、ホールへの道を進む。
辿り着くまでかなりの貴族を見掛けた。今年の貴族はかなりの名門揃いで、ロクスター家、ランドリー家、シャルン家……
まだまだ見掛けたが、全て思い出すのに時間が掛る。なんにせよ、遠い所の貴族まで来ているのだ。ここは人気らしい。
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