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俺はベッドに横たわる沙雨那に手を掛けた。
「沙雨那、起きて」
俺が沙雨那を揺さぶると、沙雨那はゆっくりと目蓋を上げた。
「お兄様……」
沙雨那は少し寝惚けているようだけどまあ気にしない。
つーか可愛い。可愛らしい。
沙雨那はフラフラしたまま洗面所に行き、暫くするとまた戻ってきた。
「お兄様っ……」
沙雨那は寝惚けているのか、俺に縋るように抱き着いてきた。
「どうした、沙雨那?」
俺が訊ねると、沙雨那は俺の胸の中でまた眠ってしまった。
「沙雨那、起きて」
俺は沙雨那を抱き上げて優しく声を掛けた。
「……あっ、すいません、寝ちゃってました」
沙雨那は苦笑いしながら俺の瞳を見つめて言った。
沙雨那の吸い込まれそうな瞳に恍惚して俺は沙雨那を離したくなくなってしまった。
「……? お兄様、どうしました?」
俺は気付いたら沙雨那をぎゅっと抱き締めていた。
「もう沙雨那を誰にも渡さない、離さない」
俺は小さくそう呟いて沙雨那を更にぎゅっと抱き締めた。
俺って独占欲強いのかな。
「私はずっとお兄様の傍にいますよ」
沙雨那はにっこりと笑い、俺の胸に顔を埋めた。
可愛いよ。
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