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とりあえず新年の始まりを告げる鐘の音を聞いた後、西園寺に一礼し、帰宅した。
帰り道、沙雨那にプレゼントしたロングマフラーを一緒に首に巻いて2人で歩いていた。
勿論手は繋いでるよ。
「お兄様」
突然隣で歩く沙雨那が俺に声を掛けた。
「ん? どうした?」
俺が返答すると、沙雨那は満面の笑みで言った。
「明けましておめでとうございますっ!」
沙雨那は俺にぎゅうっと抱き着いて言った。
「ああ、明けましておめでとう、沙雨那」
俺は沙雨那の頭を撫でて新年のご挨拶。
そして歩いていくうちに家が見えてきた。
とりあえず家の前まで行き、懐から鍵を出して鍵孔に差し込んだ。
そして一捻り。すると錠の外れる音。
そしてオープン。真っ暗な空間が眼中に。
「ただいま~」
俺の声は静寂の我が家に谺した。
でもね。
「おかえりなさい、お兄様」
と、沙雨那がちゃんと言ってくれる。
可愛いでしょ。
とりあえず沙雨那がマフラーを取ると俺は靴を脱ぎ、部屋に移動。
寝巻き代わりのジャージに着替えて浴衣は沙雨那に返却。
「お兄様、もう寝ましょっか」
沙雨那は綻びのない笑顔で俺に言った。
「そうだな」
俺はそれだけ言うとリビングに移動した。
沙雨那が着替えてないからさ。
とりあえずテレビを点けてテーブルに置いてあった煎餅を頬張りつつ、沙雨那が着替え終わるのを待った。
沙雨那が着替え終わったら歯磨かなきゃな。
毎日の事だけどだるいわ。
煎餅うめぇ。
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